H子 01



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H子は俺に覆いかぶさるように四つんばいになり
そのHカップは洋梨がごとく楕円形へとかたちを変えて
その変わる瞬間に自分の心臓はドクンと鳴り
脳内物質があふれ出し細胞が回りだす
かたちが定義できない瞬間が とてもよいのだ
ある定義が、もっとよい定義に覆されるみたいに

無造作に
あるいは気まぐれに
ふたつの房は 宇宙は
自分のかつてよく知ったる
黒く細い、頼りの無い
忘れられた紐のようなものに
ゆっくりと降下し
万有引力に沿うようにして
やがて押しつぶされ
うっ、と初心な少女のように自分は声をあげて
怒りや
分離した悲しみ
すべてのうまくいかないことが消えていくから


忘れられた黒くさみしい紐は
天上から垂れさがった 力のある肉のなかにうずまりながら
少しだけ男気をみせて拡大し 
僅かにその中で反発してみせたが
三秒後にはスクラップ置き場のカローラみたいに潰されて
いなくなったみたいになって
生まれる以前みたいになって
すべてが出た

まだ何もしてないのにどうしてイっちゃうの?
と、H子が言うので
笑いながら 泣いた。




















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