福島智「ぼくの命は言葉とともにある」 を読む


先日、東大の障害と性についての集まりに行って「この方は何者ですか」という方がおられ
福島智さんと言われる盲ろうの東大の先生なのだが
いっけん同じ空間にいるのだが、この人違う次元にいる というか
時空とか銀河という概念を彷彿とさせる方で
稀な癒やしをいただき興味を持ち何冊か書籍を手に入れた

目が見えぬ、耳が聞こえぬ世界である故に
「言葉」が手がかりになるということ
というかむしろすべてであるということ

その著書「ぼくの命は言葉とともにある」は
障害者がここまでやってみました!がんばりました!というアプローチではなく
あるいは社会的弱者からの視点でもなく
ただ淡々とそういう特性を持った1つの存在から発せられた一冊の野に咲く花のようなかわいらしい手記だ
一人の人間が生きた生活と哲学について書かれている
まあ数ページ飛ばし読みをしたような箇所もあったが

「言葉」に対する言及が多く見られるのが
詩人界隈に多少は籍を置かせてもらっている自分には大変興味深い
文学ではない分野の方が「言葉」について強い意思を持って言及されているところがおもしろいし
というかむしろ、文学をやってます 詩人です とい人より自分には
言葉について 的を得て見える
それは「言葉」を求める切実さであろう
かっこつけ、自分を強いものとみせ(弱い者としてみせても)、着飾り、他人を騙し、防御壁に使うこともできるだろう 言葉は

「ぼくの命は言葉とともにある」には、実際詩が抜萃されておる箇所がいくつかあり
谷川俊太郎さんの詩が出てきた時には、自分の中で点と点が線になるようでびっくりした
福島さんに会った一ヶ月後に、自分はタッキーのはからいで谷川さんと詩の朗読の舞台で共演させてもらえるからである
この感動を嫁さんに言ったが生返事でありスマホを見たまま顔もあげないのでつらい
ああ 誰か俺が毎日何を見ているのか 認めてくれる人はいないのであろうか・・

当日は、はじめて見た指点字にカルチャーショックを受けた
「ぼくの命は言葉とともにある」を読むと、指点字は「発明」であったことが書いてあり驚く
発明とは、新しい組み合わせが社会に広まることであり、その最初の「点」のことであろう
はじめて指点字を目撃した自分はまるでそれは宇宙人との交信のようにも見えた

ロケットをどこか遠くに飛ばさなくても
タイムトラベル機器を発明しなくても
宇宙はそこらにあるのだ

福島さんについて書く時、自分の文章が割と秩序だつのは
福島さんの度量であると思う
暗く深い地下室で、誰かがあきらめずに生きたということは
自分にとって強い希望になる















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